同友会ニュース−企業訪問

伝統と革新の狭間をゆく三代目が繰り出す次なる一手((有)卯都木来集軒 代表取締役 卯都木克有)

伝統を守ろうと家業を継いだが

   平成16年に祖父の代から続くのれんを守ろうと家業を継ぎ、平成22年、自身の希望で代表取締役へ就任した卯都木さん。家業を継いで3年は順調に売上も伸びていたそうです。しかし、その後様々な要因が重なり売上の減少が加速し、平成24年度には過去最低売上を記録してしまいます。
 それでも、何も手を打たなかったと氏は語ります。いや、本当は「失敗したらどうしよう。みっともない」「失敗するようなことなどしたくない、無駄だ」という思いから手を打てなかったそうです。結局、何をしたら良いか分からず、何が出来るのかも分からず、疲れと不安と不満が日に日に増していったそうです。

同友会入会〜「泣き虫卯都木」と言われ

   とにかく経営の勉強をしようと、ビジネス書を読みあさっていた時、ある本と出会い同友会の存在を知ります。そして偶然にも知人が新潟同友会の会員であることを知り、すぐに連絡をとったところ、その知人からも強く勧められ入会しました。そしてまず経営指針づくりセミナーを受講します。
 前述の通りとても悩んでいるタイミングでの同友会入会・経営指針づくりセミナー受講です。本来、書き入れ時であるはずの土曜日にお店をお休みにしてまで勢い込んで参加したセミナーでしたが、聞いたこともない言葉が連発され、考えたこともないことを考え分析しなければならず、精神的にとても疲弊していきます。そしてセミナーから帰ってきてから翌日の営業のための仕込みを行うわけですから、体力的にとても辛かったそうです。
 それでもなんとかセミナーを修了し、経営指針発表会当日、セミナー中ずっと支えてくれたグループメンバーの仲間へ感謝の言葉を言おうとした際に、感極まって泣いてしまいます。それ以来、埼玉同友会で「泣き虫卯都木」キャラが定着してしまったそうです(笑)。
 紆余曲折を経て作成した経営指針ですが、卯都木さんにとって経営指針は、ご自身への「戒め、道しるべ」のようなものだと言います。何かことあるたびに理念と向き合い自問自答しているそうです。まるで理念が問いかけてくるような、そんな感覚だそうです。

従業員一人ひとりを大事に

   経営指針を作成し、変化したことは大きく2つあったそうです。1つ目は、日ごろの行動です。計画がなければ見過ごしてしまうような細かい部分も、計画に沿った地道な行動をとるようになったそうです。
 2つ目は、従業員に対しての接し方です。以前は従業員を直接怒ったりするのではなく、物に当たったり壁を蹴るという間接的感情表現が多く、職場の空気を悪くしてしまっていたそうです。「当時は本当に陰険でヒドい奴だった」と振り返ります。
 そして今は、「従業員の長所が目に止まるようになった」そうです。それによりお給料の渡し方に変化が生まれました。以前は無地の封筒で単に手渡ししていただけだったそうですが、封筒に名前を入れるようになり、その名前を筆ペンで丁寧に書くようになり、今では封筒の裏にメッセージを添えるようになりました。従業員一人ひとりが喜ぶ顔を思い浮かべながら、夜中に一人ネタを考え書き上げることが、密かな楽しみとなっているそうです。
 今後は「卯都木来集軒=シュウマイ」のブランドイメージを更に加速させていきたいそうです。幼少の頃、ご両親が毎朝シュウマイを握っているのを見て育ってきた氏。氏にとってシュウマイは単なる食べ物ではなく、絶やしてはいけない「灯」のような存在なのでしょう。
 「安心・安全・幸せな食の提供」という理念を掲げ、伝統の心を守り続けている卯都木来集軒をこれからも応援していきたい!と心から思う取材となりました。

               ▲給料袋の裏に自筆のメッセージを添えて

【企業概要】

(有)卯都木来集軒
代表取締役 卯都木 克有(うつぎ かつなり)
埼玉県加須市久下5-272-5
TEL:0480-65-2752
FAX:  同  上 

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