同友会ニュース−企業訪問

社員という素材を“めっき”して輝かせる大宮鍍金工業の挑戦((株)大宮鍍金工業 代表取締役 出野哲也)

26歳からの「継承」

 \;  「入社してから3年目でしたね。自分から『やる』『継ぐ』と言わないと逃げちゃうような気がしたんですよ(苦笑)」
(株)大宮鍍金工業、三代目。出野さんが、そんな自分の立場を意識したのは就職してからでした。プラスチック関連の製造業。目立たない部位を生産していましたが、どれも特徴的で技術的にも高いことで評価されていた企業でした。思えば、亜鉛めっきを主とする家業も同じように“主役”の素材を活かす技術と品質が自慢の会社。振り返れば、派手なメーカーに入らなかったのは、父親や祖父の気骨を受け継いだからかもしれません。
 逃げない――思えば、26歳からのリスタートでした。「いい経験ができたのは、2000年の川越工場の立ち上げでした。工場長として資金調達以外のことはすべて任せてもらいましたから、実際、一つの会社を立ち上げるようなものでした。工場の設計から機械の搬入、そして人材確保…。中でも採用方法は、いい勉強をさせてもらいました」

採用で妥協しない

 \;  当時の社員教育といえば「見て覚えろ」という職人気質が色濃く残る時代。しかし、新人が入っても下働きばかりのせいか離職者が絶えません。伝統は残しつつ「人づくり」に注力し、製造業のイメージを刷新しなければ、製造業そのものが縮小してしまうという危機感を感じていたのです。今のままではいけない―。
 「そんな中で行き着いたのは、採用では妥協しないということ。『やる気があればだれでもいい』ではなく、うちの会社に合う人という基準を定めました。社員同士の和が大切でしっかりとコミュニケーションがとれること、自分から考えて行動することができて、そして仕事が好きということ……私自身のラインをクリアする人を採用するようになったら、定着率が上がりましたね」。逃げずに立ち向かったその成果は、新入社員は川越工場からスタートという会社としての人材育成の流れをつくり出しました。

「めっき」と共に

 \;  同友会には2001年に入会しました。「最初は父親が誘ってもらっていましたが、その話を聞いて私自身が入りたいと思ったからです。それまでは『社長は実務がわかっていればいい』と思っていました。しかし、これは入会してわかったことですが、本当の意味での社長の仕事というのは理解していなかったと思います。計画を立てて、伝えることが大事なんですね。昨年、経営指針づくりセミナーを受講して、迷いなく事業を勧められるようになったことと、社員にとっていい会社にしなければならないと考えるようになったことは、大きな収穫でした」
 今年、これまで忘年会だけだったレクリエーションをボーリング、ハイキング、バーベキューなど5回に増やしたところ、参加は半数程度ですが、手ごたえを感じています。さらに有給休暇取得をことあるごとに呼びかけるなど、職場改善に邁進中。

 「めっきって、奥が深いんですよ。耐食性を上げ、外観をよくするのはもちろんですが、機能そのものを高めることもできます。もっとお客様のニーズをつかんで市場に打って出たいと思っています。そのためには人材が必要なんですよね」
 これからさらに飛躍するために、社員という素材をどう“めっき”して機能させていくのか。若き出野社長の手腕が問われるのは、これからです。  \;

             ▲高い技術を持った社員たちが現場を支えている。

【経営理念】

・めっき処理で、ものづくりの一翼を担い、企業活動を通じて世の中に貢献し、社会の一助となるきらりと輝く企業となります。
・当社に関わるすべての人の喜びを自らの喜びとし、次なる成長への原動力とします。
・堅実経営のもと持続的に成長し、社員にとって人生の土台となる企業づくりをします。

【企業概要】

出野 哲也(いでの てつや)
(株)大宮鍍金工業
代表取締役
さいたま市北区日進町1-188
TEL:048-652-2121 FAX:048-652-2448
http://www.omiya-mekki.co.jp/

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